ライフラインチャートを作る意味とは? 人生を振り返ると「自分の軸」が見えてくる

運営ポリシー

将来のためにお金を貯める。NISAを始める。資産形成を考える。
どれも大切なことですが、その前に考えておきたいことがあります。

それは、「自分はどんな人生を送りたいのか」という問いです。FP9では前回、GG佐藤さんと丸山FPの対談を通じて、ライフラインチャートが人生の転機や価値観を見つめ直すきっかけになることを紹介しました。

今回はFP9編集長のヒラタが、自分のライフラインチャートをもとに、丸山FPと一緒に人生を振り返りました。お金やライフプランについて伝える立場であっても、自分自身の人生を一本の線で振り返る機会は多くありません。

出来事を並べ、言葉にしていく中で見えてきたのは、これまで意識していなかった「自分の軸」でした。

この記事でわかること
・ライフラインチャートを作る意味
・過去の経験から「自分の軸」を見つける視点
・自分の価値観とライフプランがどうつながるのか
・FPと一緒に人生を振り返る意義


FINANCIAL PLANNER
丸山 明仁
FP
丸山 明仁 AKIHITO MARUYAMA
マネードクター
FP歴28年目。マネードクターのFPとして、お客さまのライフプランニングや資産形成を支援している。目の前のお金だけでなく、お客さまがどのような人生を送りたいのかを起点に、一緒に考えることを大切にしている。

PEOPLE
ヒラタ ハルカ
インタビュアー
ヒラタ ハルカ HARUKA HIRATA
FP9編集長
金融業界で12年以上サービス・ブランドづくりに携わる。AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有。FP9編集長として、「お金のことよりも、人生の話をしよう。」という考えのもと、人生や価値観からお金を考えるコンテンツづくりに取り組んでいる。

ライフラインチャートとは

ライフラインチャートとは、人生の出来事と、そのときの気持ちの動きを時系列で整理するものです。進学や就職、転職、結婚などの大きなライフイベントだけでなく、趣味との出会い、旅行、人との関わりなど、自分にとって印象に残っている出来事も書き出します。

目的は、過去に点数を付けたり、良かったことと悪かったことを判定したりすることではありません。
出来事を並べて振り返る事で、自分が何を大切にしてきたのか、どのような場面で充実感を覚えたのかを見つけるためのものです。

自分の人生を、初めて一本の線でみた

今回、私が作ったライフラインチャートには、小学生の頃から現在までの出来事を記入しました。学生時代は吹奏楽部でトランペットを吹いていたこと、旅行が好きになったこと、仕事を通じた出会いや変化。

一つひとつは覚えていても、人生全体を続けて振り返る機会はこれまでなかなかありませんでした。

チャート作成で人生を振り返った感想を話すヒラタハルカ編集長

小学生の頃から振り返ることって、あまりなかったんです。

チャート作成の感想を尋ねる丸山明仁FP

書いてみて、どうでしたか?

チャート作成で人生を振り返った感想を話すヒラタハルカ編集長

『ああ、そうだったな』と記憶が戻ってきました。出来事を一本の線で見ると、印象が変わりますね。

丸山FPが注目したのは、進学や就職といった大きな節目だけではありませんでした。
学生時代の部活動や趣味など、自身が何気なく書いた出来事にも目を向けていきます。

ヒラタハルカ編集長のライフラインチャート

過去の出来事から「自分の軸が見えてくる」

チャートを作る事で見えるものを解説する丸山明仁FP

ライフラインチャートで過去の出来事を見ていくと、「流れ」が見えてきませんでしたか?

【left】earnest-1

流れ、ですか?

チャートを作る事で見えるものを解説する丸山明仁FP

ヒラタさんの場合、旅行や、人にまつわる思い出が多いことも、今につながっていそうですね。

丸山明仁FPの言葉に気づきを得るヒラタハルカ編集長

たしかに、人と一緒に何かをするのが好きです。
これまでも、たくさんの人に助けてもらってきたなと思います。 

チャートを作る事で見えるものを解説する丸山明仁FP

その気づきが大事なんです。

出来事だけを見ていると、部活、趣味、仕事はそれぞれ別の話に見えます。しかし、そのとき何が楽しかったのか、誰と関わっていたのかまで掘り下げると、共通するものが見えてきました。

振り返らずに「私の価値観はこれです」と答えられる人ばかりではありません。自分の軸は、頭の中だけで考えるよりも、実際の経験をたどりながら探す方が見つけやすいものでした。

ライフラインチャートは抽象的な自己分析ではなく、自分が実際にしてきた選択から価値観を確かめられるところに意味があります。

見えてきた軸を、これからの人生につなげる

ライフラインチャートは過去を振り返るものです。しかし、振り返ること自体がゴールではありません。丸山FPは見えてきた価値観を、これからの人生にどうつなげるかが重要だと教えてくれました。

チャートで見えてきた価値観とこれからを語る丸山明仁FP

これからの人生を『私はこうしたい』と決める。
それだけでも、この先の流れは変わってくると思うんです。
 

丸山明仁FPの言葉に納得するヒラタ編集長

 何を軸にしたらいいのか、今までよくわかっていませんでした。

チャートで見えてきた価値観とこれからを語る丸山明仁FP

 でも、振り返ってみると見えてきたことがありますよね。 

丸山明仁FPの言葉に同意するヒラタ編集長

 はい。自分にとって大事なことが少し見えてきました。 

チャートで見えてきた価値観とこれからを語る丸山明仁FP

 だから次は、未来のライフラインチャートを考える番です。 

尋ねるヒラタ編集長

 過去を振り返って終わりではないんですね。 

チャートで見えてきた価値観とこれからを語る丸山明仁FP

 そうです。過去の経験は、未来を決めるための材料になります。 

過去の経験から、自分が大切にしてきたものを知る。そこから、これからも大切にしたいものや、実現したいことを考える。

この順番を踏むことで、未来の話が単なる理想ではなく、自分の経験につながったものになります。

「お金を貯める」の前に、「何のために」を考える

対談は、私が老後のために続けている資産形成の話へと進みました。

お金を貯める理由を尋ねる丸山明仁FP

NISAは何のためにやっていますか? 

質問に答えるヒラタハルカ編集長

老後の生活のためです。正直に言うと、増えていくのを見るのが楽しいというのもあります。 

深堀して質問する丸山明仁FP

では、老後にどんな生活を送りたいですか? 

質問に答えるヒラタハルカ編集長

そこまでは、あまり考えられていないかもしれません。 

深堀して質問する丸山明仁FP

いくら必要で、今いくら用意できていて、あといくら足りないのか。
そこはわかりますか?
 

【left】earnest-1

わかっていないですね。

ヒラタ編集長に気づきを促す丸山明仁FP

そうすると、いくら貯めれば安心なのかは、少し見えにくいですよね。 

目的と理由の違いに気づくヒラタハルカ編集長

たしかに。老後のためと言いながら、具体的な金額までは考えられていませんでした。 

ヒラタ編集長に気づきを促す丸山明仁FP

そこに気づくことが大切です。目的が見えると、必要なお金や今からできることも整理しやすくなります。 

お金を貯める目的について語る丸山明仁FP

お金を貯める目的は、自分の人生をどうしたいかなんです。 

貯める目的ではなく、使う目的が重要だと気づきを得るヒラタ編集長

使う目的が大事なんですね。 

お金を使う目的の重要性を語る丸山明仁FP

はい。まずは『何のために』を考えることが大切です。 

目的が「老後のため」だけでは、必要な金額も、今から何をすればよいかも決めにくくなります。どのような暮らしをしたいのかが見えて初めて、それに必要なお金を考え、現在との差を整理できます。

お金は、増やすこと自体が目的ではありません。自分が望む人生を支えるためのものです。だからこそ、金融商品や金額を考える前に、自分が何を大切にし、何を実現したいのかを整理する必要があります。

自分だけでは気づけないこともある

ライフラインチャートは一人でも作れます。

一方で、自分で書いた出来事を誰かに話すと、自分では当たり前だと思っていた選択に意味が見つかることがあります。

チャートについて尋ねるヒラタハルカ編集長

 私のチャートをもとに、実現したいことを一緒に考えてもらうこともできますか? 

誰かに相談する事について話す丸山明仁FP

できます。チャートを見ると、なぜ転職したのか、どんなときに楽しかったのかが見えてきます。 

丸山明仁の言葉に納得するヒラタハルカ編集長

自分の好きなことや得意なことも、そこから見えるんですね。 

誰かに相談する事について話す丸山明仁FP

そうです。これから何をしたいのかを話しながら整理することに意味があります。

【left】earnest-1

必要なお金や既に準備ができているお金の計算は自分では難しそうです。 

FP相談という頼もしい存在について話す丸山明仁FP

そこは私たち専門家が支援します。一人で考える部分と、一緒に考える部分を分けて進められるのがFP相談です。

FP相談というと、貯蓄額や収入、保険、資産形成など、お金の話から始まるイメージがあるかもしれません。しかし、お金だけでは、その人にとって本当に必要な選択は決められません。

過去の経験や価値観を共有しながら、「どんな人生を送りたいのか」を一緒に考える。そのうえで、必要なお金や今後の行動を整理する。丸山FPが考えるFPの役割は、人生全体を見ながら伴走することでした。

ライフラインチャートをもとに対話する丸山明仁FPとヒラタ編集長

ライフラインチャートを作ると見えてくること

ライフラインチャートを作ることで見えてくるのは、過去の出来事そのものではなくそこに表れている自分の価値観です。
具体的には、次のようなことを整理できます。

・自分が大切にしてきた価値観
・充実感を得やすい状況や環境
・苦しいと感じやすい状態
・繰り返してきた選択や行動の傾向
・これからも大切にしたい人や時間
・未来に実現したいことを考える手がかり

大切なのは、きれいなチャートを作ることではありません。
山や谷の大きさにも、正解はありません。その出来事を自分がどう受け止め、何を感じたかに意味があります。

よくある質問

Q.ライフラインチャートには嫌だった出来事も書いた方がよいですか?

A.無理に詳しく書く必要はありません。ただ、苦しかった時期に何がつらかったのか、何が支えになったのかを振り返ると、自分が避けたい状態や大切にしたいものが見えることがあります。

Q.ライフラインチャートに正解はありますか?

A.正解はありません。同じ出来事でも、そのときの感じ方は人によって異なります。一般的な評価ではなく、自分にとってどうだったかを表すことが大切です。

Q.一人でも作れますか?

A.一人で作れます。作った後に誰かと話すと、出来事の共通点や、自分では気づかなかった価値観が見つかることがあります。

Q.ライフラインチャートは自己分析にも使えますか?

A.使えます。過去の出来事と気持ちの変化を整理することで、自分が大切にしてきた価値観や、充実感を得やすい環境に気づきやすくなります。

Q.ライフラインチャートとライフプランはどう違いますか?

A.ライフラインチャートは、過去の経験や価値観を振り返るものです。ライフプランは、その価値観をもとに、これからの暮らしやお金の使い方を考えるものです。

Q.書き方がわからない場合はどうすればよいですか?

A.まずは印象に残っている出来事を時系列で並べるところから始めます。具体的な書き方は、別記事「ライフラインチャートの書き方」で詳しく紹介します。

まずは、自分の人生を振り返ってみる

チャートを作る意義を理解するヒラタハルカ編集長

 ライフラインチャートは、自分を知る機会になるんですね。 

チャートから得られる事を話す丸山明仁FP

そうですね。そこから未来のプランにつなげていきます。 

チャートからつながる内容を話すヒラタハルカ編集長

実現したいことが見つかったら、やっとお金のことですね。 

ヒラタ編集長の言葉に同意する丸山明仁FP

はい。必要なお金、今わかっているお金、足りない分を整理していきます。 

ライフラインチャートに必要なことを話すヒラタハルカ編集長

まずは人生を振り返ることからですね。 

人生の振り返りが重要と話す丸山明仁FP

はい。そのうえで、これから何をしたいのかを考える。お金は人生を支える道具です。だからこそ、どう生きたいのかを先に考えることが大切です。

人生を振り返るとき、思い出すのは大きな成功や失敗だけではありません。好きだったこと、夢中になったこと、誰かに助けられたこと。何気ない出来事にも、今の自分につながるヒントがあります。 

これからのお金について考えるときも、最初に向き合いたいのは、「どんな人生を送りたいのか」という問いです。何を大切にしたいのか。その問いに向き合うことが、これからの選択を考える最初の一歩になります。

うまく書こうとしなくても大丈夫です。まずは印象に残っている出来事を並べてみるだけでも、自分が大切にしてきたことに気づくきっかけになります。

まずは一度、自分のライフラインチャートを作り、これまでの人生を振り返ってみてください。

この記事の内容は動画でもご覧いただけます。

 

他の人はどうしてるの?

OTHERS



合わせて良く読まれる記事

MOST READ

CHECK

お金のプロから
最新情報を受けとる

暮らしに役立つお金の知識をお届けします。

LINEで友だち追加